今も現役『しっぽのはたらき』:日本の科学読み物について②

子どもの本全体にいえることですが、戦後20年を経た1965年ごろより、子どものための科学の本も現在の基礎となるものがでそろってきます。最近創刊500号を記念して復刻版をだした かがくのとも シリーズですが、1969年に出版された第1号

しっぽのはたらき (かがくのとも絵本)

しっぽのはたらき (かがくのとも絵本)

ハードカバーになって、今も現役です。思えば約40年たって現役をはれる科学の本ってスゴイですよね。この本は、まず「しっぽ」そしてそのしっぽを持つ動物の姿が出て、クイズのようにも楽しめます。子どもたちに読むと、必ず、何の動物かを口々に言って盛り上がりますが、当たった、当たらないへの執着が、以前より強くなっているように感じるのは、単に私がトシをとったせいでしょうか? こういう本は、正解を当てる本というより「へぇ、そうなんだ」と楽しんでもらいたいのですよね。授業じゃないんだし。正解を知ることと、未知のことに出会って推理して楽しむことは似ているようで、ちょっと違う気がします。