やっと見つけた司書の職。なのに、任地にいったら図書館が閉鎖!

短期の仕事で食いつなぎ、安売り書店に勤める中で、やっと見つけた司書の職。なのに、任地にいったら予算不足で図書館が閉鎖! といっても、日本の話じゃなくて舞台はアイルランドのミステリー。

蔵書まるごと消失事件 (移動図書館貸出記録1) (創元推理文庫)

蔵書まるごと消失事件 (移動図書館貸出記録1) (創元推理文庫)

こりゃ、読むしかないか、ですよね。図書館閉鎖で、移動図書館勤務を命じられるも、肝心の蔵書1万5千冊が全て消失、というのがメインの事件です。
でも、図書館員として許せないのは、移動図書館をやってくれといわれた主人公が、BMなんて嫌だ、と帰ろうとするんですよ。これは図書館員じゃないぜ! まぁ、推理小説というより人情話みたいな作品で、小太りでさえない主人公の司書が、田舎の町で、みんなにいじられながら、悪戦苦闘。事件は勝手に解決というユーモアミステリーです。ただ、図書館員としてはうれしいシーンもありますね。車がないのでBMを乗り回している主人公が、ショッピングモールの駐車場にBMを止めると、おばちゃんたちに囲まれるんです「ちょっと、あんた?ここで図書館あけるんじゃないの?」と。「あたしたちがどれくらい長いこと図書館なしでやってきたか、知ってるの?」「きっちり地方税おさめてるんだからね」といって詰め寄ってくるわけです。いいですね。図書館、求められてます。
シリーズ物ですので、イスラエル君の今後の成長に期待しましょう。