音と本

ちょっとお休み読書の話。
音楽鑑賞の趣味はない私ですが、音楽をテーマにした本は好きです。
奥泉光氏の

鳥類学者のファンタジア

鳥類学者のファンタジア

 は、タイムトラベルものというのにそそられて手に取りましたが、主人公の奏でるジャズが響いてきそう。でも、第二次世界大戦下のドイツにタイム・スリップしたっていうのに明るさがあるこの作品と比べ、同じ作者の
シューマンの指 (100周年書き下ろし)

シューマンの指 (100周年書き下ろし)

の方は、一挙に陰鬱で荘重なクラッシックのメロディーのイメージです。出会ってしまった天才への思いと見せかけて仕掛けたどんでん返しにドキリとさせられました。
音楽高校という“私の知らない世界”へ連れて行ってくれた
船に乗れ!〈1〉合奏と協奏

船に乗れ!〈1〉合奏と協奏

は、自分をどこかもてあましてしまう高校時代とやっても成果がでないかもしれないが、やらなければそれこそ絶対成果が出ない音楽の世界、特にひとりではなくオーケストラ演奏の中で、ハーモニーを創る難しさと楽しさにドキドキしました。
ヤングアダルトと音楽って合うんでしょうかね
聖夜 ― School and Music

聖夜 ― School and Music

も高校。こちらはミッションスクールでのオルガン部の牧師の息子という主人公の屈折した母親への思いがオルガンの音色で聞こえてきそうです。
こういう本を読んでいるとき、曲名がいろいろ出てきても知らないのですが、でもなんか聴こえてくるような気がするって、作者たちがスゴイのでしょうね。